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「自分が気に入るものを、丁寧に」——まるはち・中城さんが届ける、やさしい焼き菓子

「自分が気に入るものを、丁寧に」——まるはち・中城さんが届ける、やさしい焼き菓子

「まるはち」は、宮崎市芳士にある予約制のお菓子屋さん。管理栄養士の中城さんが、自分の“好き”をかたちにした焼き菓子は、無添加で安心、そして見た目もかわいらしいと人気を集めています。 母と娘の二人三脚で営む小さなお店には、お菓子づくりへのまっすぐな気持ちと、日々の感謝が込められています。 「趣味で作っていたお菓子」が仕事になった 添加物を使わず、安心して食べられる焼き菓子 「自分がかわいいと思うもの」を届けたい 「お菓子作りを嫌いにならないこと」が、いちばん大切 「趣味で作っていたお菓子」が仕事になった お菓子づくりが好きで、自分のために焼いていたという中城さん。Instagramに投稿していたところ、「購入できますか?」という声が届くようになり、やがて予約販売を開始。少しずつファンが増え、イベント出展を重ねるうちに、お店のかたちができていきました。   添加物を使わず、安心して食べられる焼き菓子 まるはちのお菓子はすべて、添加物不使用。安心して食べてもらえるよう、素材にも気を配り、一つひとつ丁寧に焼き上げています。中城さんが担当するのは焼き菓子全般。スコーンやチーズまんじゅうは、お母様が担当。世代を超えたやさしさが詰まった、ほっとする味わいです。   「自分がかわいいと思うもの」を届けたい 商品パッケージにも中城さんのセンスが光ります。「自分が気に入るかわいらしいものを」という思いから、包装もデザインもひとつひとつ吟味。手に取ったときの喜びも含めて、“まるはちらしさ”を届けています。   「お菓子作りを嫌いにならないこと」が、いちばん大切 「価格設定も、量産も難しい。でも、やっぱりお菓子作りが好きなんです」と中城さんは笑います。「感謝の気持ちを忘れずに、お菓子作りを嫌いにならないこと」。そんな信念が、やさしい味となって、今日もお客様のもとへ届いています。   暮らしの中の“ほっと一息”に寄り添う、まるはちのお菓子。その背景には、「好きなことを、丁寧に続ける」という真摯な姿勢があります。やさしい味わいと愛らしい見た目に、きっとあなたも心をほどかれるはずです。

「ジャリパンを残したい」——地元の味を継ぐ、ミカエル堂・大津さんの決意

「ジャリパンを残したい」——地元の味を継ぐ、ミカエル堂・大津さんの決意

宮崎のソウルフードとも言える「ジャリパン」。その元祖とされる「ミカエル堂」は、一度は2023年にその歴史に幕を下ろしました。 しかし、地元を離れていた大津さんが「ジャリパンがなくなるのはイヤだ」と強く感じ、事業を継承。2024年に新たなスタートを切りました。カンカン通り商店街の一角で再び灯った看板には、受け継がれた味と想いが詰まっています。 地元の味を守りたい——Uターンしての決断 「ありがとう」の言葉が、原動力になる 子育ても、事業も——奮闘する日々のなかで 地元の味を守りたい——Uターンしての決断 「ミカエル堂」三代目・都成さんが事業継承先を探していたとき、大津さんは東京からのUターンを決意。「自分がパン屋じゃなかったことに不安はあったけれど、地元・宮崎からジャリパンがなくなるのは寂しい」と強く思ったと語ります。パン作りは未経験からのスタート。都成さんのもとでゼロから技術を学び、2024年11月14日、「ミカエル堂」の看板を再び掲げました。   「ありがとう」の言葉が、原動力になる 店舗を再開してからというもの、経緯を知るお客様から「続けてくれてありがとう」と声をかけられることが多く、大津さんにとってそれが何よりのやりがいだといいます。ジャリパンは、ただのパンではなく、宮崎で育った人々の記憶の中にある特別な味。その味をもう一度手に取ることができる喜びが、確かに受け継がれているのです。   子育ても、事業も——奮闘する日々のなかで 小学生の子どもを育てながらの店舗運営は決して楽ではありません。それでも、大津さんは笑顔でパンを焼き続けています。その姿に、取材スタッフも自然と応援したくなりました。「ミカエル堂」は、ただ懐かしい味を復活させただけでなく、地域の人々と共に生きる、今の宮崎を象徴する存在としても注目されています。   「パン職人としてではなく、地元のファンとしてジャリパンを残したい」——そんな大津さんの想いと行動が、宮崎の味と記憶を未来へとつないでいます。老舗の味が、次の世代へ。あなたもぜひ一度、カンカン通りで“あの味”を手に取ってみてください。

世界に織り広がる高野口の技術——「妙中パイル」が生む、唯一無二の織物の世界

世界に織り広がる高野口の技術——「妙中パイル」が生む、唯一無二の織物の世界

和歌山県橋本市・高野口町に拠点を構える「妙中パイル織物株式会社」。高野山のふもとで、世界のファッションブランドや鉄道、インテリア業界から支持される特別な織物をつくり続けています。 「パイル」と聞くとタオルを思い浮かべるかもしれませんが、ここ高野口で織られているのは、まるで毛皮のような風合いや、高級感あふれるモケット・ベルベットといった高付加価値の織物。その技術力と感性が世界を魅了しています。 タオルじゃない「パイル」。高野口が誇る織物文化 阪急電車の緑のシートも、実は妙中パイル 世界的ブランド「ミナ ペルホネン」も信頼する技術 積み上げた技術を、オリジナルブランドとして発信 タオルじゃない「パイル」。高野口が誇る織物文化 「パイル」とは、生地表面に糸のループや毛羽を立たせた織物のこと。高野口町はこの分野で長年培われた技術を持ち、タオルではなく、モケットやベルベットといった装飾性・耐久性の高い織物を中心に生産しています。まさに“見せる”織物です。   阪急電車の緑のシートも、実は妙中パイル 知らず知らずのうちに、私たちは妙中パイルの製品に触れています。たとえば、阪急電車のあの深い緑のシート生地は妙中パイルが長年供給しているもの。公共交通機関に採用されるほどの品質と信頼が、この工場にはあります。   世界的ブランド「ミナ ペルホネン」も信頼する技術 アパレルブランド「ミナ ペルホネン」の服地や椅子張りの生地にも、妙中パイルの織物が使われています。テキスタイルとしての美しさと機能性を兼ね備えた織物は、ファッションからインテリアまで幅広い分野で評価されています。 積み上げた技術を、オリジナルブランドとして発信 長年のOEM生産で培った技術を活かし、妙中パイルは自社ブランドのプロダクト展開もスタート。高野口の地で磨かれた技と感性を、もっと身近に感じられるアイテムとして提案しています。   100年近い歴史を紡いできた町・高野口で、今も世界とつながるものづくりが続いています。織物という枠を超え、手にした人の暮らしに深く馴染む——それが「妙中パイル」の織物です。高野口発のクラフトに、ぜひ触れてみてください。